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自転車の旅、2日目!

2015年03月31日 21:10

「うーん……降ってますなぁ……」

 ガラリと窓を開けたわたくしの一言から始まった、しまなみ海道・自転車旅の2日目!

 天気予報により事前に分かっていたことですが、朝から、あいにくの雨模様でした。

 しかし、わたくしたちの計画にぬかりはない! 

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 船に乗って、瀬戸内海の潮流体験☆

 もちろん、船着場までは自転車で移動しなくてはならなかったのですが、普段からちょいちょい山登りをしているわたくしたちは、最強のレインウェアを持っているので大丈夫です☆

 特に流れが強い「瀬戸」で船長さんが船のエンジンを停め、少しの間、瀬戸内の「潮」に乗ってフリーダムに流されるという愉快な体験をしました。

 海面を見ると、小さな渦を巻いているところがあったり、もわん、もわん、と海水が海面が湧き上がってくるようなところがあったり――
 
 流れのスピードに加え、海底の複雑な地形によって、思いがけない潮の流れが生まれるそうです。
 
 さすがは海の難所!

 大潮のときには、今でも、ちょっと怖いくらいになるそうですよ。

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 昨日のうちに渡ってきた、伯方・大島大橋の下をくぐります!

 下からのアングルで橋を眺めるというのも、新鮮なものですね。

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 潮流体験の後は、すぐそば(というか道をはさんで向かい)にある、村上水軍博物館へゴー!

 なかなかライブ感のある展示で、すごく面白かったです☆

 パネルや模型での説明があるほか、遺構の発掘作業で見つかった品々や、村上一族のあいだで交わされた手紙、海賊たちの鎧や武器などの展示も……

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 噂のヤガラモガラ。

 和田竜さんの『村上海賊の娘』に、

「そのえげつない物は何ですん」……
ヤガラモガラよ」
「名前もえげつな」

 というやりとりがあって、わたくしのお気に入りの場面ですよ。

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 博物館の3階にあった、しまなみ海道の上空からの写真!

 手前でわたくしがつま先で踏んでいるところが、現在地。

 奥でジェイ先輩が踏んでいるあたりが、自転車旅の出発地・瀬戸田港です。

 なかなか遠くまで来たものだ!

DSCF4915.jpg

『村上海賊の娘』のヒロイン、景(きょう)さんの凛々しい後ろ姿を彫り出したレリーフがありました☆

 本の表紙が、見事に石の上に再現されています。 

 このあたりは良質な石材の産地でもあり、走っている途中に切り出し場をたくさん見かけました。

 雨もあがって、いざ、一路、今治へっ!!

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 最後の橋である、来島海峡大橋!

 世界初の3連吊り橋であり、全長は4kmを超えるという、壮大な建造物です!

 こいでもこいでも、なかなか橋が抜けられない……(笑)

 歩いて渡っている猛者もいましたが、いったい何分かかるのか!?

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 やっと橋を渡り切り、サンライズ糸山という施設に到着!

 しまなみ海道の今治側の起点といわれるだけあって、サイクリストが集結していました。

 素敵な品ぞろえのお土産物を物色した後、ソファに座り、休憩!

 その視線の先には――

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 今しがた渡ってきた、来島海峡大橋が。

 もはや橋の果てが見えん。


 この後、有名な「今治タオル」の本店に行き、タオルを買ったり、今治城をチラッとだけ眺めたりして、バスと新幹線を乗り継ぎ、帰還いたしました!!

 疲れたけれども、すごく達成感のある旅でした☆

 この記事では語り切れていない、小さなオモシロ話もいろいろありましたし……!

 楽しかったあぁぁぁ!!

 しまなみ海道、今度は一気に完全制覇! なども目指してみたいものです。

 
 ――さて、地上は明日から、怒涛の新年度!

 ほどよく無理なく、がんばって参ります☆

 下記事に拍手、ありがとうございました!(拝)

 また次回の記事で、お目にかかりましょう☆
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自転車の旅、ふたたび!

2015年03月30日 20:19

 いきなりですが今年も行ってきました、しまなみ海道の自転車旅! 

 謎の老人氏とアストライアさんが庭の王国を旅してくださっているあいだに、わたくしは地上――というか、海上の旅を。

 しまなみ海道は、本州の尾道から四国の今治までを結ぶ、瀬戸内海を縦断するサイクリングロードですよ。

 向島、因島、生口島、大三島、伯方島、大島の6つの大きな島を通って、ずーっと道が続いているのです。(尾道~向島のあいだだけは渡し船でしか渡れませんが)

 前回は、尾道~生口島までの旅でしたので、今回は残りを制覇するため、生口島~今治の旅です!

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 旅のはじまりは、尾道から。
 
 前回の旅の1日目は、残念ながら雨だったのですが、今回は絶好の晴天! 

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 生口島までは小型のフェリーに乗り、ショートカットします。

 前回、帰りに乗ったのと同じ「シトラス」号が迎えに来てくれました。

 ちなみに今回は、いつものジェイ先輩とのふたり旅です!

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 そして生口島の瀬戸田港に到着!

 前回のしまなみ旅で、少年とよじ登り対決をした壁……!

 すごく懐かしい気持ちになりました(笑)

 前回のゴールが今回のスタートというのは、なかなか感慨深いものがあります。

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 レンタサイクルを借りて、多々羅大橋を渡ります!

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 美しい!!

 ここで手を叩くと、音が反響して、一度しか叩かなくても「パパパァン」という感じに聞こえるのですよ。

「多々羅鳴き龍」と名付けられた現象だそうで、しまなみ海道でも、この橋でしか起こらないそうです。

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 ひたすらに爆走し、軽い峠を越え(←後で脚が大変なことに)、大三島でお昼ごはん!

 海鮮丼はすごく美味しくて、中でも驚いたのは、海藻のコリコリ具合でした! うまっ!!

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 おおやまづみ神l社(←字が出なかった)の御神木様。

 博物館も、刀剣や鎧の展示が充実していて、わたくしにとっては非常~に楽しい空間でした!

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 さらに爆走し、迷って行き過ぎたりしつつ(汗) 次の目的地、大三島の「リモーネ」さんへ!

 自家製のレモンのリキュール、リモンチェッロがおいしいと評判のお店で、今回の旅でぜひとも訪れたいと思っていたのですよ。

 何枚かある看板のうちの一枚がリモーネではなく「リーモネ」になっているところが、御愛嬌(笑)

 リモンチェッロ、帰還してから飲んでみたのですが、期待通り、絶品!!

 イタリア産のものも飲んだことがありますが、わたくしはこっちの方が断然、気に入りました!

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 橋へと至るループ状の坂道が異様にしんどい。

 上りにさしかかると、わたくしは毎回、2番ゲート『スパルティアタイ』に登場する「レオニダス隊長のメイラクスに相応しい戦士であらねば! と訓練をがんばるクレイトスくん」の気持ちを想像しながらペダルをこいでいました(笑)

 いったい何の訓練だ……(汗)

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 美しくきらめく海原の景色を堪能しながら、大三島大橋を渡り――

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 巨大なガントリークレーンが立ち並ぶ伯方造船の光景を眺めつつ、ひた走ります!!

 伯l方l島では、道の駅で休憩し――この時点で、自転車を降りた瞬間に脚が痙攣しそうになりました――、さらに気張って、大島へ!
 
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 画像に写っているのは、大島のすぐ近くにある、能島(のしま)という小さな島です。

 この名を聞けばピンとくる方がおられるかもしれません――

 和田竜さんの『村上海賊の娘』に出てくる、海賊たちの拠点、あの能島ですよ!

 わたくしはあの物語が好きなので「うおおおお能島!」と大興奮でしたが、ジェイ先輩はあまり歴史系には興味がないので「ほ~……」という反応でした(笑)

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 ようやく、宿にたどり着き、畳に寝転がりながら、翌日の作戦会議。

 大量のマップは、宿の方の御厚意で貸していただいたものです☆

 この後、ものすご~く入念にストレッチをしました。

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 この夜景は、偶然、同じ日に泊まり合わせた方々に、車で亀老山展望台に連れて行っていただき、そこから撮影したものです!

(もちろん、実際の夜景は、画像の100倍美しいですよ)

 右手にうっすらと写っている、まっすぐな光の線は、来島海峡大橋。

 その向こうに見える光こそ、わたくしたちの目的地、今治の夜景です!!

 展望台はカーブだらけの山道を登り切ったところにあるので、自転車、それも夜には、絶対に行けないような場所でした。

 偶然がもたらしてくれた素敵な出会いに、感謝です☆

 
 ――と、第1弾の記事はここまで!

 次回は第2弾ということで、旅の2日目の記録を紹介いたします。

 怒涛の新年度が始まる直前に、旅でエネルギーチャージ☆

 こういうのも、大切ですね!

 チャージというわりに、ちょっとばかりハードな旅程ですが、旅は、少し冒険的なくらいが楽しいというものです☆


 そのようなわけで、本日のところはこのへんで!

 下記事に拍手、ありがとうございました!(拝)

 また次回の記事で、お目にかかりましょう☆

庭の王国への旅 ⑱

2015年03月25日 21:31

        *               *


 小屋にたどり着き、繰り返し練習した手順を注意深くたどってハンモックの中におさまると、星の娘はゆらめくろうそくの火影をおもしろそうに眺めながら言った。

「明日が来るのが楽しみだわ。
 翼の騎士って、どんな人たちなのかしら?
 それに、お祭りも! あたくし、ダンスなんてしたことがないけれど、一晩中、踊り明かすなら、ぜひ仲間に入りたいわ。」

「そうじゃな。」老人はそう答えたが、首をひねって星の娘を見たその表情には、奇妙に真剣なところがあった。

「アストライアくん、今回の――」

 時空跳躍、と言おうとして、旅人がすぐ隣にいることを思い出し、

「旅のことじゃが。
 明日の夜の祭りまで、こちらにお邪魔して、その後は、どうしようかのう?」

「その後って?」

 星の娘は、板壁に映る炎のゆらぎを夢中で目で追いながら言った。

「つまり、祭りが終わったら、一度、帰ってみても良いんじゃないかと思ってな。」

「帰る?」

「ああ、アウローラさんに、色々と話してあげなくてはならんし、わしらも、あまり仕事を空けるわけにはいかんしのう。」

「ええ――」そう言った星の娘のまぶたは、もう半分ばかり下がりかけていた。

「そう、そうですわね。
 あたくしたち、アウローラさんに、話してさしあげなくちゃ。
 魔女さんのことや、川のこと――オニユリさん――」

 そこまで言う頃には、星の娘はまぶたをすっかり閉じてしまい、ほとんど聞こえないほど静かな、深い寝息を立てはじめた。

「あんたたちは、仕事を休みにして、旅をしているのか。」

 旅人が、星の娘を起こすまいとひそめた声で話しかけてきた。

 旅人の上着は結局、まだ乾いておらず、彼は上半身はだかのまま、ハンモックの上で体を伸ばしていた。

「まあ、そのようなものですな。」と老人は答えた。

「わしらふたりとも、今は、いわば、休暇中でしてな。」

「その娘は、あんたの弟子なのか?」

「いや、そうではないですな。
 わしらは――まあ、同僚のようなものですじゃ。」

 旅人は、ハンモックの中でゆっくりと首を傾げた。

「あんたのような――気を悪くされないといいが――年寄りと、そこの娘のような若い者が同僚だとは、不思議なことだ。
 差し支えがなければお訊ねしたいが、いったい、何の仕事をなさっているのか?
 あんたたちは、職人のようにも、商人のようにも、猟師や釣り人や農民のようにも見えない。」

「わしらは、吟遊詩人のようなものです。」

 老人は迷わずにそう言った。

「物語を語り、人に届けること。それがわしらの仕事ですじゃ。
 わしらはずっと5人で仕事をしておりましてな。
 アウ――そのうちのひとりは、ずっと昔、この国に住んでいたことがある。
 今、その人は、自分の持ち場を離れることができないので、わしらがかわりにこの国を訪れ、この国の今の様子を、その人に語ってきかせようということになったわけですのじゃ。」

「なるほど。」

 旅人はそう呟き、それきり黙った。

 老人が首をひねって見ると、旅人はもう目をつぶり、裸の胸の上で腕を組んで、ぐっすりと眠りこんでいるようだった。

(やれやれ。)

 体を小さくゆすって、より良いおさまり具合を探りながら、老人は思った。

(毛布がなくても眠れるほど、ここが暖かくてよかったわい。
 わしのような年寄りには、眠るときの寒さほどこたえるものはないからのう。
 それにしても、今日一日での、アストライアくんの変わり方には驚かされた。
 眠る前にシャワーを浴びて着替えることができないとなれば、確実にひと騒ぎあるじゃろうと思っておったのに、そんなこと、気にも留めておらんようじゃったからな。
 これまでの彼女からすれば、考えられぬことじゃ――)

 その『変わり方』は、ほとんどすべての面からみて、歓迎すべきものであるように思えた。

 体を動かすことや冒険的な試みをすることへの消極的な態度、清潔さや洗練されていることへの、やや過剰ともいえるこだわり――

 それらの、いわば欠点が、ひとつひとつ薄れてゆき、眠りにつく前には、彼女はほとんど「活発で冒険好きな少女」のようになっていた。

(良いことじゃ。まったく、なにより。
 ――では、なぜ、わしは、こんなにも心配しておるのじゃろう?)

 老人は心を集中して、腹の底にたまった澱のような不安の正体を見極めようとした。

 だが、そのためにまぶたを閉じたが最後、一日歩き回った心地好い疲れがどっと彼の上に覆い被さり、彼を夢も見ない深い眠りの世界へと引き込んでしまった。




【庭の王国への旅⑲へと続く】

庭の王国への旅 ⑰

2015年03月16日 21:10

            *            *


 オニユリは小さな脚立を持ってあちこちを動き回り、客たちの寝床の高さを調節していった。

 人間の腰の高さあたりまで――「これ以上はロープの長さが足りない。」とオニユリが言った――下ろされたハンモックに、星の娘と老人と旅人はゆっくりと腰を下ろし、うまく『おさまる』コツを見つけようと四苦八苦した。

「あんたのように旅慣れた方は、ハンモックで眠ることにも慣れておられるかと思っとりました。」

「俺は、野宿をするときは、草の上で眠る。
 蓑虫みたいに宙に浮いて眠るのは初めてだ。」

 老人と旅人は、一緒に引っくり返りながら、そんな会話をしていた。

 地面がむき出しの床に、それぞれ何度か転がった後、ようやく全員が曲がりなりにも回転せずに寝床にとどまることができるようになった。

 その頃には、もう夕暮れの気配が漂っていた。

「そろそろ鍋も煮えた頃だな。晩飯にしよう!」

 一同は腰をさすりながらお茶屋に戻り、オニユリが魔法のような素早さで用意した食器を前に、テーブルを囲んで座った。

「さあ、どんどん食べておくれ!」

 オニユリの料理の腕前は、かなりのものだった。

 塩気と香辛料のほどよく効いた味付けは、一日歩き回った体に染みいるようだった。

 一同ははじめのうちはすっかり無口になり、骨付き肉と野菜を煮込んだスープ、小魚の酢漬け、焼き締めたパン、殻つきのくるみ、干し果物などを次々と胃に収めていった。

 しばらくすると、雪の王がのっそりとやってきてテーブルの横の地面に座り、オニユリが取りのけておいた大きな骨を、ぼりぼりと噛み砕き始めた。

 何となく一同は食事の動きを止め、一瞬、場がしいんとなったが、すぐにオニユリが明るい声で言った。

「あんたら、いい食べっぷりだね。作った甲斐があるよ。」

「だって、美味しいのですもの。」星の娘は、御世辞ではなくそう言った。「このお店はお茶屋さんだということですけれど、ふだんから、お料理も出していますの?」

「まあ、ちょいちょいね。
 夜の旅は危ないからさ、遅くに来たお客には、泊まっていくように勧めることにしてるんだ。
 そういうときは、晩飯を出す。
 昼に来たお客でも、腹が減ってるって言えば、ちょいちょいと軽いものを作って出すときもあるよ。」

「すごい技術ですわね。」

 星の娘はしみじみと感嘆して言った。

 生まれてこのかた、ずっと軌道上のターミナルで暮らしてきた彼女は、トレイに載った、完全に調理された食事を受け取って食べることしかしたことがなかった。

 自分でナイフと鍋と炎を操り調理をするなどというのは、知識として頭にあるだけの行為であって、彼女にとってはまったく未知の領域だった。

「そう誉めるなよ、照れるから。」

 オニユリは嬉しそうに言い、「まあ飲めよ。」と全員に茶を注いで回った。

 今度のお茶は、優しい花のような香りがし、飲むとゆったりとした気分が腹の底から広がってくるような気がした。

「ところで、あんたら、明日は遅くまで眠るつもりかい?」

 不意にオニユリがそう訊ねた。

「いいや、俺は、夜明けと共に発つつもりでいる。」すぐに答えたのは旅人だった。

「それは、何か用事があるからかい?」オニユリが訊ねた。

 どうも、彼女が自分たちを引き留めたがっているように感じて、

「どうしてですの?」

 と、星の娘は訊いた。

「明日は、翼の騎士たちが帰ってくる日だからさ。」とオニユリは答えた。

「翼の騎士たちは、いつも、最初の東風に乗って帰ってくる。
 すると、その夜は、祭りになるんだ。
 風祭りさ。聞いたことないかい?」

 老人と星の娘はかぶりを振ったが、旅人だけは「聞いたことがある。」と言った。

「夜から、朝までぶっ通しで踊り続けるという、あの祭りか。」

「そうそう。」

 オニユリはにこにこしながら言った。

「だからさ、どうせなら、みんなで祝った方が楽しいだろうと思って。
 あんたたち、急ぎの用事がないなら、明日の夜の祭りが済むまで、ここにいたらどうだい?」

「まあ……」

 星の娘は、笑顔で老人の方を見た。

「それじゃあ、御言葉に甘えて。」老人が小さく頷くと、星の娘は勢いよく答えた。「そのお祭りに、あたくしたちも、ぜひ参加させていただきたいわ。」

「俺も、残ろう。」旅人が言った。「祭りは好きだ。」

「よし! 話は決まった。明日が楽しみだ。」

 オニユリは嬉しそうに言った。

 不意に、老人が口を手で覆って、大あくびをした。

「うん……失敬、失敬。
 じゃが、今日一日、いろいろとあってくたびれたのでな。
 わしは、そろそろ寝に行こうかの。」

「ああ、それがいいよ。
 明日はきっと朝早くに騎士たちが帰ってくる。
 はやく寝ておけば、明日、はやく起きて、あの人たちが帰ってくるところを見られるかもしれないよ。」

「じゃあ、あたくしも、そろそろ寝ようかしら。」

「俺も眠ろう。今日は確かにくたびれた。」

「そりゃそうだ。ここは、あたしが片づけておくから、あんたたちはゆっくり休んでおくれ!」

 日はすでにとっぷりと暮れていた。

 一同は自分の使った食器を運んで桶の中に入れると、オニユリにおやすみの挨拶をして、彼女からろうそくを受け取った旅人を先頭に、店から小屋へと続く林の中の小路をたどっていった。


 
【庭の王国への旅⑱へと続く】

怒涛が佳境

2015年03月10日 22:00

 ぬぬぬ……現在、地上では年度末の業務が佳境に差し掛かっており、ボスは、

「明日になっても、俺は今と同じ状態で椅子に座ってるかもしれない……」

 と呟いておりました(汗)

 わたくしはどうにか今日が〆切の書類を仕上げ、離脱して参りましたよ!

 そして、業務に使うデータを探そうと大量のSDカードを漁っておりましたら、懐かしい画像を見つけました。

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 2年か3年前に、ジェイ先輩と共にフィリピンに遊びに行った時の画像!

 わたしはどちらかというと「海より山」派なのですが、このときばかりは海も格別でした。

 フィリピンのビーチから見た夜明けの美しさは、人生の中でもベスト3に入る印象深さで、今も心に残っております。

IMG_0770.jpg

 スキューバダイビングのライセンスを取りました。

 カメラが防水仕様のものではなかったので、船上の画像しかありませんが……

IMG_0775.jpg
 
 ボートの「船倉」の中で寝転がるアウローラ……(←謎の行動)

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 分かりますでしょうか……             

 船長が、船のエンジンをのせて加熱しています(笑)

 エンジンの右端のほうに注目……!

IMG_0727.jpg

 そしてヤシの木と見れば登るアウローラ。

 楽しい旅でした!!

 現状は、ちょっとアレな感じですが、この怒涛を無事に乗り切ったら、ぜひ、ちょっとした旅に出たいものです☆

 それでは、本日のところはこのへんで!

 下記事に拍手、ありがとうございました~っ!(拝)

 また次回の記事で、お目にかかりましょう☆

何となく神託が下り

2015年03月07日 00:06

 すごく久々に絵を描いてみました。

 いつもならば「らくがき」と言うところですが、今回は人さまのオリキャラさんを描かせていただいたので、らくがきなどという心構えでなく、真剣に描きましたよ!

 まあ腕前は相も変わらずですが……気合いだけはこもっています(←当社比30倍くらい)

IMG_20150306_234525.jpg

「リリー・フォレス」さま宅の「日下部青來」さん。

 自分としては特にリボンの仕上がりが気になるのですが、これが技術の限界でした……

 IMG_20150306_234611.jpg
 
「キィナ」さま宅の「ジュエル」さん。

 河童の存在が気になりますね……(笑)

 どちらもオリ描き同盟に登録しておられる方のオリキャラさんです。

 ではなぜ同盟に投稿しないのか? というと、あまりにも久々過ぎて、絵を投稿する方法がうろ覚えだからです(笑)

 しかもスキャナ(←コピー機兼用)は不調で戦線離脱しておりますし……

 新しいスキャナが手に入ったら、そっと同盟に展示させていただくことにしようと思います!


 ――ということで(?) 本日のところはこのへんで!!

 下記事に拍手、ありがとうございました☆(拝)
 
 また次回の記事で、お目にかかりましょう~! 

庭の王国への旅 ⑯

2015年03月05日 20:30


        *           *


「騎士たち?」

 星の娘は、不思議そうにそう繰り返した。

「そうさ。」オニユリは誇らしげに言った。

「この王国の空を守る騎士たちだ。
 騎士といっても、馬に乗るんじゃない。
 翼に乗って、空を飛ぶんだ。」

「ああ。」

 星の娘はそう言ったが、翼に乗って空を飛ぶ騎士というものの姿をはっきりと思い浮かべることはできなかった。

 戦闘機のパイロットのようなものかしら、と彼女が考えているうちに、オニユリは両手を打ち合わせて叫んだ。

「そうだ、忘れるところだった。
 あたしはここに、晩飯の材料を採りに来たんだよ。」

 オニユリはそのあたりを回って目ぼしい根菜を2、3本引き抜き、それらを小脇に抱えたまま、腰からナイフを抜いて手際よく菜っ葉を刈り取っていった。

 ふたりは感心したようにその早業を眺めていたが、やがて同時に我に返り、慌てて手伝いを申し出た。

「晩飯の準備には、まだ、もう少しかかるけど。」

 老人に根菜を1本と、星の娘に菜っ葉の束をいくらか渡しながら、オニユリは言った。

「そろそろ、こっちに戻ってきといたほうがいいかもな。もうすぐ日が沈む。
 暗くなる前に、眠る練習をしといたほうがいいと思ってさ。」

「眠るのに、練習が必要かしら?」

 星の娘が驚いて言うと、オニユリは頭をかいた。

「いや、あたしは慣れてるから大丈夫だけど、慣れてないと、落っこちるかもしれないからさ。
 ずいぶん前に、兄貴が初めてうちに泊まったときは、絡まってぐるぐる巻きになっちまって、大変だったんだ。」

「落っこちる? それに、ぐるぐる巻きですって?」

「――オニユリさんの家では、寝る時に、ハンモックをお使いなのですな。」

 謎の老人がそう言って、星の娘の疑問を解決してくれた。

「ハンモック? あたしは『ゆりかご』と呼んでるけどね。
 あたしのばあちゃんも、そう呼んでたからね。
 ――よし、これで晩飯の材料はそろった。行こう!」

 一同がつれだってお茶屋に戻ると、旅人はあいかわらず焚火のそばで服の乾き具合をみていた。

 オニユリは「すぐ済むよ。」と呟くと、水がめから汲んだ水で野菜を洗い、ナイフで器用に皮を剥き、ざくざくと刻んで鍋に放り込んだ。

「これでよし。それじゃお客さん、あんたも、ちょっと来ておくれ!
 これから、寝床の説明をするからね。」

 オニユリがそう言うと、旅人は生乾きの服をもう一度広げ直し、黙って立ち上がった。

 オニユリは一同を店の裏手に案内した。

 林の中を抜ける細い道をたどって行くと、黒っぽい板で造られた、お茶屋と同じくらいの大きさの小屋が見えてきた。

 その側には、小さな緑色のテントが張ってあった。

「あのテントが、あいつの家だよ。」

「あいつ?」星の娘は、最初、オニユリが誰のことを言っているのか、まったく思い当たらなかった。

「ああ。明日には、具合が良くなってるといいけどな。」

「――ああ! あの方のこと。」老人とふたりで病院に担ぎ込んだ若者のことを、星の娘はやっと思い出した。

「あの方、こちらにお住まいですの?」

「本当は軍の兵舎があるんだけどな。
 あいつ、そこだと、あの意地の悪い隊長連中にいやがらせをされるんだ。
 だから、こっちに避難してきてるってわけ。
 ここなら、だいたいいつも雪の王がいるし、安心だ。」

 それは何者なのかと星の娘が訊ねる前に、オニユリが大きな声で呼びかけた。
 
「雪の王! 泊まりのお客さんだよ。」

 黒い板壁の小屋の角をまわって、大柄な白い獣がのっそりと出てきた。

 星の娘は、はじめ、それを巨大な犬だと思った。

 それから、その鋭くとがった耳や顔つきを見て、その白い獣がオオカミだということに気付いた。

「珍しいことだ。」

 一同が踵を返して逃げ出すよりも先に、ごろごろと深いところで唸るような声が響いた。

「一晩に3人も、泊まりの客があるとはな。」

 白いオオカミ、雪の王は、ぎょっとするほど澄んだ色の青い目でじっと一同を見た。

「ふん、変わった奴らだが、悪い者どもではなさそうだ。」

「一夜の宿をお借りいたします。」と老人が言い、丁重に頭を下げた。

 雪の王は鷹揚に頷き、緑色のテントをちらりと見た。

「今日は、あれがまだ戻っておらんな。あの、若い人間。」

「あいつは、殴られて怪我をしたから、軍病院に連れていったよ。」

「ふん、あの若造どもの仕業だな。」雪の王の唸り声が、一段低い響きを帯びた。

「今度、奴らがこのあたりを通りかかることがあったら、俺が、軍人であるということの意味を教えてやろう。」

「雪の王は、庭の王国の北面を守る、雪オオカミ軍の軍団長だったんだ。」

 オニユリが言った。

「氷鬼どもとの戦いで足を折ってから、引退したんだけどさ。
 ほら、このあたりの方が暖かいから、古傷が痛まずにすむんだよ。
 だが、今でも雪の王といえばオオカミたちのあいだでは伝説の戦士だ。
 ときどき、若いオオカミたちが相談に来ることもあるよ。」

「まあ、そうですの。」

 星の娘はやっとそう言ったが、今晩のところは若いオオカミたちがぞろぞろ訪ねてくるなんてことがありませんように、と内心で祈らずにはいられなかった。

「雪の王が小屋の外で目を光らせているから、眠っているあいだに何かに襲われるなんて心配はないんだ。
 あとは、うまく『おさまる』コツさえ見つければ、朝までぐっすり眠れるよ!」

 オニユリがそう言って小屋の戸を開け、一同はぞろぞろと後に続いた。

「これがあんたたちの『ゆりかご』だ。」

 オニユリは説明しながら、簡素な棚から、漁師の網のように目のあらい網で作られたハンモックを取り出した。

 彼女はそれを3つ、小屋の壁の端から端へと、もともと吊るしてあったハンモックに並べて、次々と吊るしていった。

 それが人間の頭よりもずっと高いところに並んだので、星の娘は不安そうに言った。

「あの、オニユリさん。
 あたくしたちの習慣からすると、ずいぶん高いところに寝床があるように思えるのですけれど。」

「そうかい?
 雨がひどい夜なんかは、風の足が帰ってきて、この小屋に入るからさ、そのための場所をとってあるんだ。
 だが、今夜は天気が良さそうだから、あいつは草原で友だちと一緒に眠るだろ。
 もう少しロープをゆるめて、低いところまで下ろそうか?」

「ええ、ぜひ。」



【庭の王国への旅⑰へと続く】

きっと誰もが

2015年03月02日 22:30

 ここ数日、地上の祖母君――10番ゲートの一族のではなく、血縁上の――の体調が悪く、ばたばたしておりました。

 もうだいぶお歳の祖母君ですが、いよいよ「介護」が必要な状態になって参りまして、これより先、どうやって色々なことを回していくか? という会議が家族の間で持たれました。

 我らは皆、ターミナル上の役目および地上の業務を持っております。

 それらを潰してしまうことなく、かつ、祖母君にとってなるべく心地よく、安心できるような環境を作るためにどうするか――
 
 おそらくは早晩、外部の力を借りることになるが、そのためにどうしていくか――

 などなど、事態を前向きに動かすために、わたくしたちも動き始めた……という感じです。

 結婚して家を出た妹も参戦し(←マジでありがたい)、一致団結、協力してコトに当たっております。

 これ……わたくしひとりやったら、間違いなく物理的にも精神的にも不可能に近かったで……!

 妹の存在のありがたさを、あらためて感じた出来事でした。

 
 介護の問題は、多くの人にとって、いつか直面することがらですね。

 とうとう自分たちにも、取り組む番が回って来たか、という感じです。

 そんな時にも、心に物語を! ということで、移動中に『指輪物語』を読み、多いに励まされておりますよ!(←謎のチョイス)

 今は、セオデン王に付き添っていたエオウィン姫の心が、以前よりもよく分かりますし、困難の中にあっても快活さを失わないメリーやピピンの精神がいっそう素晴らしいものに思われます。

 ――そして、アストライアさんと謎の老人氏が報告を届けてくれる『庭の王国』の旅の様子も、心を明るくしてくれます!

 どんなときも物語を愛する心を失わず、ずずいっ!! と前進して参ります!

 何事も無理なくマイペースに!!
 
 というわけで、本日のところはこのへんで☆

 下記事に拍手、ありがとうございました!(拝)

 また次回の記事で、お目にかかりましょう……!



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